1.良質な住宅・宅地の形成と長期活用
(1) 良質な住宅ストックの形成
良質な持ち家の供給
 山形の住まいとして、高耐久※13、高断熱※14、克雪※15、環境等に配慮※16した、山形にふさわしい環境共生住宅※17の供給と県内地場産材を積極的に使用した木造住宅建設を促進する。


持ち家の質の維持・向上

 良質な住宅ストックを大量かつ効率的に確保するため、住宅金融公庫等の公的資金を活用してバリアフリー化※18、省エネルギー化※19、耐震化※20等のリフォーム※21を推進し、持ち家の質の維持・向上を図る。


良質な賃貸住宅の供給

 税制上の優遇措置や住宅金融公庫融資等の活用により狭小な民間賃貸住宅ストックの更新を誘導し、若者やファミリー世帯、高齢者世帯等の多様なニーズに対応した良質な賃貸住宅の供給を図る。
県営相生団地(米沢市)

※13: 建て替えは資源やエネルギーの大きな浪費、構造躯体に十分な耐久性のある材料・工法を採用するなど資源を大切にした耐久性の高い住宅づくりを進める。
※14: 気密性・断熱性の高い住宅は、熱と空気の出入りが極めて少ないことが特徴で、冷暖房の負担が小さくて済むので、少ないエネルギーで快適な環境を維持することが可能である。
※15: 積雪の多い山形県では昔から雪による経済面、スポーツ面などへのハンディキャップが存在している。近年では、住まい方についても雪を克服する技術が考えられてきている。例えば屋根の雪下ろしをしないですむ無落雪住宅の研究やロードヒーティング(無散水融雪)の技術などである。
※16: 住宅や住み手が身近にある自然環境や生態系を楽しみ、良好な関係を保っていこうということであり、人と自然との接触を多くしていくという意味で、住宅周辺の生態系を大切に守る工夫や気候や地域性と調和する工夫が必要となる。
※17: 気候、風土、環境などの特性を踏まえて、石油などの化石燃料の消費削減、太陽熱など自然エネルギーの活用、水循環や廃棄物のリサイクルを考慮することにより、地球環境の保全や周辺環境との親和、居住環境の健康・快適性に配慮した住宅。人にやさしく快適な暮らし方が地球を大切にする暮らし方になるということ=環境共生。
※18: バリアフリーとは「障壁のない環境・空間の設計」とか「身障者、高齢者に配慮した環境空間の整備」といった意味であるが、バリアフリーな設計は高齢者等のためだけではなく、一般の健常者にとっても暮らしやすいので、段差のない居住空間や手すりが設置されたバス、トイレなどが普及してきている。
※19: 高気密・高断熱などによりエネルギー効率のよい住宅としたり、太陽熱利用やパッシブソーラーシステムなど太陽・風・水・緑などの自然エネルギーを住宅にプラスになるエネルギーとして活用するための工夫を行っていくこと。
※20: 山形県木造住宅耐震改修マニュアルに基づいて家具、接合部、外壁、屋根、設備、地盤・土地などについてのチェック項目から耐震化を図って行く。
※21: 増改築。居室内の改装なども含む。

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